愧為読書誤一生

ブログという名の読書ノート

ラテンアメリカ文学

マヌエル・プイグ「蜘蛛女のキス」

刑務所で同室となった、同性愛者モリーナと革命家バレンティンの会話がほとんどを占めている。その会話も、モリーナが覚えている映画のストーリーをバレンティンに聞かせるというものだ。地の文は時折挿入される報告書と、注釈しかない。注釈は、本編のスト…

ホセ・ドノソ「別荘」

巻頭にベントゥーラ一族の一覧がある。49人載っており、これに別荘の使用人たち、周囲に住む原住民を合わせると、登場人物は莫大な量になる。この時点で普通の小説ではない。 別荘というのは、ベントゥーラ一族の所有する別荘を指す。この周囲の土地は、上…