松枝清顕の親友本多繁邦は、五十代になっていた。 弁護士として大成し資産家となった本多は、自ら「客観性の病」と呼ぶ、覗きの趣味を覚えていた。松枝清顕の生まれ変わりと思われる、日本に留学中であるタイの王女ジン・ジャンに思いを寄せ、御殿場二ノ岡の…
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